12月2015

ISO 9001:2015(JIS Q 9001:2015)規格への対応(その1)

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2015年11月20日にJIS版の発行が行われ、いよいよ本格的な移行作業へ着手される組織各位も多くいらっしゃることと存じます。今回の改訂では品質マネジメントシステムとしての前提条件に該当するような要求事項が4項に記載されており、規格文書を読まれた方の中にはその内容に対して困惑された方々もいらっしゃるのでないでしょうか。2008年版規格ではあまり気にしなかった事項が今回の改訂では、要求事項となり、より一層組織における品質マネジメントシステムの前提条件が問われるようになりました。

それは、「組織の状況」に始まる4項における各種の要求事項です。従来の要求事項ではあまり明確化されていなかった適用範囲に対する要求事項も、今回の改訂で「4.1 組織及びその状況の理解」から始まり、「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」、そして、それらを踏まえた「4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定」という組織における品質マネジメントシステムを決定するための基本となる前提条件が要求事項として登場しています。これらの要求事項は新規に設定されたものなのですが、組織においては曖昧であった品質マネジメントシステムの適用範囲を明確にするための下準備的な要求事項でもあり、組織によっては、今までは見過ごされがちであった適用範囲を再確認しなければならないかもしれません。

言い換えれば、自由気ままな、組織によるいいとこ取りの適用範囲では無く、適用範囲のベースを明確かつ正確に導き出して、それらに対して対応しなければならないということでしょう。故に、2008年版では許された適用範囲も、組織の状況を分析した結果、それが許されない可能性が出てくることになります。今回の改訂は単に要求事項項目が変わっただけでは無く、組織におけるあらゆるリスクを回避するために、最大限の適用範囲での品質マネジメントシステム活動を要求しているように思えてなりません。